【高月先生講演会】報告レポート

イギリスの名門パブリックスクール「Eton College」には、どうして世界中から人が集まるのか？

日本の教育と何が違うのか？

富裕層はどうして海外を目指すのか？

、、、

それが理解できた2月19日(水)の高月先生の講演会でした。

講演者はもちろんEton College日本事務局の「高月壮平」先生。

「Eton College」とはおそらく誰もが知る世界で5本の指に入る名門ボーディングスクールです。

その学校から「Sole Agent」として認められ、日本で唯一Etonのサマースクールをコーディネートできる人です。

彼のコーティネートでEtonのサマースクールに参加した政財界の御子息は二桁では収まらない。Etonの素晴らしさ、それは彼が数十年前に魅了されたイギリスパブリックスクールの教育に他なりません。

イギリスパブリックスクールとは公立学校のことではありません。イギリスでは「私立中高」のことをパブリックスクールと呼びます。

また、単なる私立中高ではなく、全人教育を基本とした寄宿制の私学のことです。最も高名なのは「The 9（ザナイン）」と呼ばれるEton・Harrow・Rugby等の9校です。

イギリスパブリックスクールで最も特徴的なのが「全人教育」

全人教育とは、勉強もスポーツも芸術も課外活動もどれも同様に力を入れ、その目的は人を創ることにあります。

逆に言えば、どうしたら“立派“な人間が育成できるのかという教育的探究を繰り返してこの形が出来上がったと言えます。

数十年の探究ではない、数百年の探究であり、スポーツを通して、芸術を通して、演劇を通して、課外活動を通して、人として必要な資質能力を鍛えます。

その過程でサッカーやラグビー、バトミントン、ゴルフ、テニスなどあらゆるスポーツがイギリスパブリックスクールから生まれたわけです。

2番目の特徴はボーディング

寮生活を通して生活面でも指導を受ける。数十人の生徒が縦割りで寮生活をし、寮には寮長先生（ハウスマスター）が家族とともに滞在するのが普通で、寮長先生は寮生活に関して全権を有しており、多くの場合、校長先生に次ぐ程度の権限を持っています。

英語で「Pastoral Care」といい、親元を離れていても、親が子供に注ぐ愛情と同等以上の親密さを持って指導することを意味します。

想像してみてください。

日本では昨今、家庭ではなかなかしつけ教育などができていませんが、それを寮長先生がやってくれるのです。

また、ハウスではハウス同士で様々な対抗戦が頻繁に行われ、学校行事以上に子ども達は燃えるそうです。

ハウスの名声をとても大事にし、13歳から長ければ18歳まで共に過ごすことで、兄弟より兄弟のようになる。

これは大学からの留学で親しくなった友達とは格段の親密さが生まれ、まさに一生物の関係が出来上がるのです。

そして名門校ともなると、世界レベルの有名人とハウスや部屋が一緒になるので、授業料は高いがそれ以上の価値を得ることができるわけです。

最後に熱く伝えておきたいことは

先生の質と先生と生徒の人数の比です。

先生は最低でも大学院卒で、博士課程を出た先生も珍しくない。また、ノーベル賞候補や、オリンピックに出場したようなその道のプロがいます。

また、先生1人に大して多くても10数人で、特に秀でたの能力が認められた生徒は、そうした先生が1対1で授業をしてくれる。いわゆる3社面談では、教科の学習の報告は全ての教科の先生がしてくれる学校もある。

少人数であるが故に、先生は全ての生徒のことを細かに把握しているのです。

私は常々教育とは

「先生と生徒の対話」だと言ってきました。つまりとある教科や生活態度に関して、1人の先生が40人に語りかけるのではなく、〇〇さん一人のことに関して評価しアドバイスをしてくれる。

日本の教育現場をイメージすると解りやすいと思うのですが、日本の場合は先生が一方的に生徒40人（高校の場合）に語りかける。それは決して〇〇さん一人に対してではないから、個人としてのアドバイスにならないのです。

残念ながら日本の場合先生の言葉は参考にはなるが、自分ごとには響きません。

想像してみてほしい。ノーベル物理学賞の候補者が物理の探究学習のアドバイスをしてくれるのです。

そうした教育を受けたEton卒業生が高月先生を頼って、日本でギャップイヤーを過ごしたいと今GLIでインターンをしています。

彼はこの8月からオックスフォードの地理学科に進むそうです。

まだまだ話し足りないことが多いので、ぜひ彼に質問をしてほしい。特に中高生は参考になると思う。

彼らが何を考えどう学び、今後のことをどう考えているのか？ 

　
鏑木