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  • 教育
  • 2023.03.04

保護者の未来の想定力が子供の未来を左右する話

こんにちは、GLI代表の鏑木です。今回改めて、保護者の未来の想定力が子供の未来を左右する話ができればと思います。

数字が表す日本の衰退を理解する

時代が大きく変わります。その事を表すKPI指標として「人口(超少子高齢化)」「GDP」「一人当たりのGDP」「給与」「世界株価時価総額ランキング」について是非お子様と一緒に調べてみてください。

平均給与はアメリカが1.7倍に増加したにも関わらず、日本のそれは約30年間上昇していません。社会保障負担率は49.5%で給与の約半分を社会保証として納めなければなりません。

物価上昇率は日本では1990年初頭から現在まで+20%の上昇に対して、アメリカはなんと250%の上昇になっています。これが日本が安くなったと言われる所以です。

ちなみにこの春スタディーツアーで行くハワイの時給は最低20ドルだとか、、、、1日8時間働いて、160ドル。今のレートで約2万円を超えますね。月に20日働くと、40万になります。美容師さんや保育士さんの年収も日本に比べはるかに高いそうです。

明らかに日本の衰退がみて取れますが、皆様どうお考えですか?

ぜひ以下の問いをご夫婦でお考え下さい。

問1)子供達が大人になる2035年、日本は昔の様に豊かな国になっているでしょうか?

グローバル化、テクノロジー化の影響を理解する

2021年の年間出生数が約81万人、2022年が79万人と想定の11年早い減少を示しました。また、このまま減少した場合、2060年には1.2人の現役世代で1人の高齢者を支える様になるそうです。

そう考えた時に、日本人とだけで、日本の企業で一生という想定はもはやできそうにありません。

実際国内はどこも人手不足です。介護、建設、農業、サービス業と人がいなくて倒産するケースも出て来ています。

一方で単純労働はAIやロボットが補う事が想定されます。自動運転は早晩実現しそうです。自動宅配なども、お店などの自動精算、農業はロボットが担う時代が来るでしょう。そうすると本当に人間しか出来ない労働はある程度集約できそうです。

問2)AIやロボットが単純作業を請け負う様になった時、人間の仕事って何になると思われますか?今の日本企業の仕事の仕方って人間にしか出来ない仕事ですか?

海外系の教育と日本の違いを理解する

昨年ハロウスクール安比校が開校しました。GLIからも5名が入学しました。

今年マルバーン東京、ラグビースクール柏が開校し、いずれもGLIから進学します。来年は昭和女子大附属小が国際コースを開校、そして実は長野県にある佐久長聖小学校がなんと2校(佐久平と長野市)同時にイマージョンスクールを開校します。昭和同様そのカリキュラム作りのお手伝いをします。

これらの意味する所はなんでしょうか?

この意味を理解しないと、実は日本人は国際的な労働市場で勝つことは出来ません。

一言で表現するならば、日本の偏差値教育VS欧米の21世紀型教育の違いです。偏差値教育は点数を取る為の教育です。21世紀型教育とは資質や能力を育成する教育です。

点数が取れた後何が残るかと言えば学歴(合格歴)です。資質能力とは課題を解決したり0から1を創造する力の事です。

特にイギリスの教育は全人教育です。スポーツも芸術も、勉強も課外活動もどれも等しく学びます。その理由は世界の舞台で活躍する事を想定しているからです。

問3)どちらの力(教育)が子供達が社会で活躍する2035年に必要になると思いますか?

都立国際合格と教育の意味を理解する

今年GLIから都立国際高校に合格しました。中学受験はせず、公立の中学に進学し、全くの普通の小学生だった子が。

中学でも学習塾には行かず、中学2年生くらいまでは普通の成績でしたが、途中から目覚めて学校のテストの勉強を頑張るようになりました。GLIのイベントにも良く参加してくれて、ボランティアもしてくれて英検2級にも合格しました。今彼はトビタテを利用して海外の留学を考えています。

さて、(偏差値的に)良い中学に入学する意味はなんでしょうか?そのために小学4年生位から時間と労力とお金をかける意味はなんでしょうか?その学校が良い教育を提供してくれるのでしょうか?

では、良い教育とはなんでしょうか?

良い大学に合格させてくれる事ですか?それとも世界を視野に、世界の舞台で活躍する資質能力とマインドを身に付けさせてくれる事でしょうか?

後者の意味で言えば、そうした一条項は日本には存在しない事を私は断言します。

相変わらずの教科学習が主流で、社会で求められるスキルやマインドを身に付けられる学校はほとんどありません。

その原因は学習指導要領にあります。日本の一条校は学習指導要領を遵守しなければならず、その事が
欧米の様な全人教育や探究的な学習を妨げていると言えるでしょう。

上記都立国際に合格した生徒は、小学4年生も5年生も6年生も中1も中2も、どちらかと言えばゆったりと、自分の好きな事に時間を使って過ごしました。

先ほど日本の一条校には本当の意味での探究的な学習を提供できる学校は少ないと言いましたが、あえて言えば、都立国際は学校自体が探究学習になっています。

生徒は学内外の活動にも積極的に参加してます。よって自分が何がしたいか明確な生徒が多い気がします。英語力はもちろん高いです。だから大学の合格実績も総合型選抜で合格する率が高いです。

今年から変わった高校の学習指導要領とその目的

文科省は2020年から3年かけて学習指導要領を変えました。今年高校の要領が変わって、その中心は正しく“探究的“学習の導入です。

探究学習とは知識の暗記や解答の為のパターン演習ではなく、本質を深く掘り下げる学習です。

なかなか言葉では説明しにくいですので、テスト問題で違いを説明すると、偏差値教育の問題は第二次世界大戦末期広島と長崎に投下された爆弾はなんですか?となります。

一方探究的な学習のテスト問題は、第二次世界大戦末期広島と長崎に原子爆弾が投下されましたが、その正当性を答えてください、となります。

違いは解りますよね。知識はググればわかります。が正当性はAIは答えてくれません。

このような問題が良く言われる、答えのない問いとか、人間にしか答えられない問題という事になります。

問4)学習指導要領に探究学習が導入された意味は何だとお考えですか?

教育とは何か?仕事や人生とは何かを改めて理解する

長らく日本は偏差値教育という日本独特の教育の型を続けて来ました。この教科偏差値型の教育は戦後から平成までの間、日本が欧米に肩を並べるためには機能してきたと言えるでしょう。しかし、教科偏差値型の教育はChatGPTに代表されるAIが現れると、その意義を失います。

また、日本は超超少子化社会がやってきます。その際、誰かより点数が高い事を競う受験競争はもはや機能しません。そうなると受験は選抜機能から、受け入れ機能に変わり、学校の役割は受験で選別する事ではなく、入学後に育てる事に変わります。

そうです、いよいよ本来の教育の機能に変わると言えます。育てること、つまりできる事を増やす、社会で活躍できる状態にする。その程度の高低で学校が選ばれる様になるのです。

人間にしかできないこと。その象徴としてグローバルスキルとか、21世紀型スキルが重要だと言われますが、そもそもそれらのスキルの土台は自己肯定感だと25年に渡る教育者人生で確証しています。

学ぶと言うことは社会の困り事や0から1を創造すること。だとするならば、点数を取る事よりも、世界の仕組みを理解し興味関心の種をまくことの方が重要だと思うのです。

学習と社会の関係。自分と世界の繋がり。そんな事を家と学校と塾のトライアングルゾーンを飛び出して実感を持って学ぶ事が大事だと思うのです。

 
GLI代表 鏑木